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Hooked ハマるしかけ 使われ続けるサービスを生み出す [心理学] × [デザイン] の新ルール

「Hooked ハマるしかけ 使われ続けるサービスを生み出す [心理学] × [デザイン] の新ルール」という本を読んだので、そのあたりの内容をすぐに振り替えられるよう自分なりに内容をまとめてみた。

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

  • 作者: ニール・イヤール,ライアン・フーバー,Hooked翻訳チーム,金山裕樹,高橋雄介,山田案稜,TNB編集部
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2014/05/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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概要

フックモデルというフレームワークを用い、ユーザにサービスを利用した行動を習慣として身につけてもらうことにより、サービスの価値の強化と拡大を図ることを目指す方法がまとめられている。 習慣によるメリットを説明したあと、具体的に検討する4つの工程について深く掘り下げがされている。 一番重要なのはユーザの解決したいと思っている問題への理解と、それに対して最適な方法でサービスを提供する必要があり、それを行えばユーザはサービスを快適に頻度よく使い、それが後に習慣化してサービスの成長に繋がる。この点を重要視し、サービスの改善に向けた行動を行えるようにする方法が詰まった良書である。

フックモデルとは

フックモデルは、ユーザーの抱える問題について、その解決に繋がる行動を習慣づけさせることを目的としたフレームワークであり、4つのステップ(トリガー(きっかけ)・アクション(行動)・リワード(報酬)・インベストメント(投資))で構成される。

習慣とは

習慣とは、無意識、あるいはほとんど意識しないまま行われる行動である。 例えば、暇だと思った際についついスマホでゲーム開いたり、Facebook見たりといった行動が、サービスの強みとなる習慣である。

習慣の強みとは

  1. ユーザーがサービスを利用する回数・時間・期間が長くなる→顧客生涯価値(顧客がサービスに費やすコストの総額)の向上。
  2. ユーザーからのサービスに対する信頼度が高まる→財布の紐が緩む→価格設定の自由道の増加
  3. ユーザーからの口コミが起こりやすくなる→サービスの大きな成長
  4. サービスへの依存度が高くなる→サービスを利用できないこと自体がユーザーの痛みとなり、ユーザーが離れられなくなる(悪用厳禁)

習慣を獲得するには

習慣化したい新たな行動を起こす頻度を増やす(頻度が多いほど強固な習慣となる) 頻度が少なくても、そのサービスを利用することによって明確でわかりやすいメリットをユーザーが感じられるのであれば習慣となる

習慣を獲得できるサービスとは

「あったら嬉しいもの(ビタミン剤)」から始まり、「なくてはならないもの(鎮痛剤)」となれるもの ユーザーの痒いところに手が届き、ユーザーのストレスを緩和するもの

ハビット・ゾーン

あるサービスが習慣化するポテンシャルがあるかを、習慣化したい行動の頻度と使いやすさの二軸で判断する概念。 頻度が高いほど、使いやすさが良いほど習慣化しやすいと考えられる。

自身のサービスが習慣化できるか考える

  1. サービスを利用してもらう上でどのような習慣が必要か
  2. ユーザーはサービスを利用することでどのような問題を解決したいのか
  3. 既存のその問題の解決方法と比べ、サービスを利用しての解決が必要とされる理由は何か
  4. 現状でどの程度の頻度でサービスが利用されているか
  5. 習慣化したいのは、ユーザのどの行動か

トリガーとは

ユーザの行動を誘発するしかけ。習慣を作り出すには、まずはじめにトリガーを元にユーザの行動を変えることから始まる。

外的トリガーとは

外部からユーザに次にとってほしい行為についての情報を与え、行動を誘発するしかけ。ユーザーをフックモデルに引き込むための手段。 広告などの有償トリガー、メディアでの露出などの名声トリガー、ユーザが共有による口コミトリガー、アプリからの通知やメールでの通知による自己トリガーなどがある。 有償トリガー、名声トリガー、口コミトリガーは新規のユーザーの獲得のための第一段階として効果を発揮する。(既存ユーザーの維持には向かない) 自己トリガーは習慣化されるまでの間、ユーザーとサービスのつながりを維持することに効果を発揮する。

内的トリガーとは

サービスの利用する起因となる、ユーザーの考えや感情、日課などの自動的に心に現れるもの。 内的トリガーを利用するためには、ユーザの抱える考えや感情(特に悩みや欲求などの問題)を理解し、それを解決するサービスを提供できている必要がある。 ユーザーはサービスを利用することで自身の問題が解決されることを理解すると、その後も継続的にサービスを利用してくれ、サービスとユーザのつながりが強化される。

内的トリガーを理解するには

内的トリガーが何かを把握するには、ユーザが解決しようとしている問題を把握する必要がある。 把握するための方法には以下の様な方法がある。 1. 自分自身がユーザの立場となり、ユーザーの視点からサービスを利用して問題が解決されるシナリオを時間をかけて作り上げる。 2. サービスについてなぜ利用するか、なぜ利用してそうしたいのか、と言った形でなぜと問いかけることを繰り返し、根本の感情(内的トリガー)を洗い出す

自身のサービスのトリガーについて考える

  1. サービスのユーザは誰か
  2. 行動を起こす前にユーザは何をしているか
  3. 習慣化したい行動を起こす内的トリガーは何か
  4. 最も多く発生する内的トリガーは何か
  5. 内的トリガーが発生した後に行うユーザの行動は何か
  6. 習慣化する前にユーザに行動を取らせるための外的トリガーは何か
  7. 内的トリガーが発生した際に外的トリガーでユーザに行動させるためにはどうすればよいか

アクションとは

習慣化したいと考えている実際の行動。 行動はモチベーション、能力、トリガーにより起こり、どれかの要素が欠けたり充分でない場合は行動が起こらない。

モチベーションとは

行動を起こしたいと思う意欲の強さ。 モチベーションには中核となる3つの誘因がある。 1. 苦しみを避け快楽を追求する 2. 恐怖を避け希望を求める 3. 社会の拒絶されるのではなく受け入れてもらう

能力とは

行動を起こすのに必要となる知識やコスト。必要な能力が少ないほど行動が起こりやすくなる。

必要な能力に影響を及ぼすものとは

  1. 時間:行動完了までにかかる時間
  2. お金:行動を起こすためにかかるコスト
  3. 身体的な努力:行動を起こすために必要な労力
  4. ブレインサイクル:行動を起こすためにメンタル面で行わなくてはならない努力と集中レベル
  5. 社会的な逸脱:その行動が社会的に認められているかどうか
  6. 非日常性:日常の行動に沿った行動か、全く異なる行動か

必要な能力を少なくするには

必要な能力に影響を及ぼす6つの観点がユーザに求める能力を多くしていないかを確認する。 時間や労力などについては行動を単純化することで解決が図れる。

  1. ユーザーがサービスを利用する目的を把握する
  2. 目的を果たすまでに必要な作業をリストアップする
  3. 目的を達成する最も単純な過程となるまで、不要な作業を取り除く

その他、希少効果やフレーミング効果といった心理学的な経験則(ヒューリスティックス)を応用することでユーザに受け入れやすいサービスを構築できる。

自身のサービスのアクションについて考える

  1. 内的トリガーが発生してからサービスを利用してリワードを手にするまでの過程にて、どの程度の作業ステップ数が必要か?同業他社に比べてどうか?
  2. 時間、金、身体的な努力、ブレインサイクル、社会的な逸脱、非日常性などがサービスを繰り返し利用する上で障害になるか?
  3. アクションを楽にする(モチベーション上げる、必要な能力を少なくする)アイデアを考える
  4. 経験則を利用した、習慣化のアイデアはないか

リワードとは

予測不能(重要)な報酬。 アクションを起こし問題を解決したユーザに対し、報酬を与え次回の行動を起こすモチベーションの強化を行う。 報酬はトライブ(集団)、ハント(狩猟)、セルフ(自己)の3つのタイプに分けて考え、これらの1つ以上を報酬として用いる。

なぜ予測不能とするのか

人を引き付けるためには絶え間なく目新しさを維持する必要があり、予測できる一定の報酬では関心を維持できないからである。

トライブの報酬とは

他の人達とつながっていることによりもたらされる、社会的な報酬。承認欲求を満たす報酬。 FacebookTwitterの「いいね」などが当てはまる。

ハントの報酬とは

自分の必要とする情報や資源を探し求め、それらを得ることで得られる報酬。 Googleで必要な情報を探し求め検索し必要な情報を見つけ出したり、Tumblrで面白い記事を求め延々とスクロールし好みの記事を探し出したりすることなどが当てはまる。

セルフの報酬とは

個人的な満足感を得る報酬。人には自分には能力があるという願望が強く、その辺りを満たす報酬。 パズルやビデオゲームなどから、dotinstallなどの学習コンテンツ等での実績や達成感が当てはまる。

最適な報酬とは

ユーザにとって何が重要か(内的トリガー、モチベーション)を理解し、その内容に沿った報酬が最適となる。

自身のサービスのリワードについて考える

  1. 実際のユーザからサービスの良い点や利用の動機をヒアリングし、ユーザにとって何が重要かを確認する
  2. サービスを利用する上でのユーザの行動を見直し、どのような報酬を与えればストレスを緩和できるか?その報酬はユーザにもっとほしいと思ってもらえるか?
  3. ユーザの欲求が高まるようなトライブ、ハント、セルフの報酬を考える

インベストメントとは

ユーザがサービスに対して費やす時間や費用、量力などの投資。 投資は長期的な報酬を期待して行うもので、すぐにユーザに満足度を与えるものではない。

投資により得られる効果とは

  1. イケア効果:人は自分が労力を費やしたものほど高い価値が有ると感じる「イケア効果」により、ユーザのサービスへの価値観を強化する。
  2. 正当化:人は自分が金や時間を変えたものを「価値のあるもの」と思いこみたい傾向にある。(価値がなければ今までやってきたことが無駄になるため)
  3. 価値の蓄積:ユーザの投資を蓄積することでユーザを理解し、より使い勝手の良いサービスを提供できるようになる。更に投資されたデータの蓄積自身がサービスの価値となりユーザを維持する効果がある。
  4. 次のトリガーの創出:蓄積した投資の内容を元に次にユーザにとってほしい行動へのトリガーを作り出すことができる。TODOアプリなどでは投資されたタスクの情報を元に、タスクの期日にアプリをチェックする通知をトリガーとして出したりできる。

どのように投資を求めるのか

投資はユーザに報酬を与えたあとに求めることで、人間の行動特性を利用し投資の可能性を上げることができる。 サービス側がユーザに恩恵を与えることで、ユーザもサービスに対して投資をしてもよいと思いやすくなる。

自身のサービスのインベストメントについて考える

  1. 現在のサービスの工程でユーザからの投資は得られているか?
  2. 次のトリガーとなるような投資をして貰う方法について考える
  3. 投資されることで価値が蓄積される投資をして貰う方法について考える
  4. トリガーにより再びサービスにユーザが戻ってくるまでにどの程度かかっているか確認する(フックモデルのサイクル期間について確認)

フックモデルの注意

フックモデルはユーザを操作し悪用できてしまう可能性がある。 自身がユーザに行ってもらいたい行動が倫理的に誤っていないかについては真剣に考える必要がある。